ゆびきり
僕たちの前に、生ハムピザとペペロンチーノが並んだ。


「彼女どんな感じ?」

トオを見ながら
パスタをフォークに絡ませる。


「8つ年下の子だよ。うちの事務所の所長の娘。」


「8つ?」

思わず絡ませたパスタを落としてしまった。


「そぅ。高校生。」

高校生って…

「…。」


「ひくなよ。」

「いや…意外だと思って…」

トオは、年上と付き合うんだとばかり思ってたから。


「俺はいいとして、たっくんは?藍ちゃんとどうなわけ?」

その声からも感じるように、トオは珍しく動揺していて、この恋愛が本気なのだと感じた。


「プロポーズしたんだけど…ずっと返事ない…」

「え!?」


「ふたつ返事だと思ってたのにさぁ…」


「まぁ、大事な事だからすぐに返事しなかったんだろ?」


「でもあれから1ヶ月は経つよ。本当にそんな気ないのかも。」

僕も最初は突然の事だからと思っていた。

でもあれから藍ちゃんは、その話に触れてこない。


僕は不安になってきて、今日トオを呼び出した。

「聞いてみろよ。」


「ダメだ。避けられてる。電話も全然でないし。自信ないよ。」


「う~ん。でもそんなはずないだろう。」


トオも困惑していた。



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