ゆびきり
「それは、彼女に聞かないと。彼女が俺を選ぶかもしれない。」


「え…」


「俺は付き合って欲しいって何度も口説いてるんだから。」


「オーナー…」


藍ちゃんとオーナーは、しばらく見つめあった。


雨があまりに強く降るから、足元を川の様に水が流れていた。


「藍ちゃん…じゃあ、この間の返事今聞かせて。もうすべて分かった。僕は全てを許すから…」

だから…
僕の元に戻ってきて。


戻る…

そうか、藍ちゃんは、あっちに居るのか。


僕の元にはいないんだ。


藍ちゃんは、こちらを向き、口を開く。



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