ゆびきり
「まぁ…確実なことは、2人ともモテるってことかな?」

マスターは僕たちの後ろに目線を送り、何かを伝えたそうにした。

僕とトオは、少し振り向く。

そこには、綺麗な女性が2人、こちらを見ていた。


「失恋した時くらい、良いんじゃないか?たとえ一夜限りの偽りの恋愛でも君の傷は癒してくれるかもしれないよ。」

後ろからマスターの声が僕の背中を押した。


「偽り…ね。」

トオは少し笑う。

「トオはダメだよ!8歳年下の彼女いるだろ!」

僕が慌てて言うと

「たっくんには無理か?」

とトオが僕に視線を向ける。

真剣な表情に、僕は何も言えなくなってしまった。


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