ゆびきり
「さすが、弁護士の家…」

アパート暮らしだった僕には、外観を見ただけでは、中が想像できないくらいの豪邸が建っていた。

「そうか?まぁ…ちょっと大きいかな。」

トオは何も気にしていない様子で答えた。

そういえば…トオの家の話は聞いたことないな。

インターホンを鳴らして
「こんばんは。トオです。お招きありがとうございます。」

と言うと、門がゆっくり開いた。

玄関に着くと傘をたたんで傘立てに入れて、大きな玄関の木でできた扉を開けると

「トオくん。いらっしゃいませ~♪」

と可愛らしい声が聞こえた。

扉が完全に開けられると声の主が見えた。


フワフワのパーマがかかったロングヘアのスラッとした、まだ子供っぽさの抜けない可愛らしさを含んだ、整った顔の美人としか言い様のない女の子が立っていた。


これは…予想外。
どうりでトオもメロメロなはずだ。

でも…こんな綺麗な知り合いはいないのに、会ったことあるような気がするのは何でだろう…。

「こちらが俺の友人の…」

「たっくんでしょ。」


「美咲ちゃん…確かにたっくんだけどさぁ…」

トオは苦笑いする

「いいよ。たっくんで。よろしくおねがいします。美咲さん。」

僕は笑顔を添えて挨拶した。

「たっくん。中に入って下さい。夕食の準備出来てますから。」

美咲さんからも、可愛いい笑顔が返ってきた。


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