ゆびきり
小さいときからの話
最近の話
色々話した。

「一緒に居るんだって、僕が守るんだって、ずっと思ってきて、ただ思うだけじゃなく努力もしてきた。でもダメだった。肝心な時に、藍ちゃんを引っ張ることが出来なかった。」

タケの時だって、この前のオーナーの時だって、僕は、無理矢理にでも藍ちゃんを取り戻そうとしなかった。

映画やドラマみたいにカッコよくなんて出来ない。

でも、もしかしたら、藍ちゃんはそれを待っていたのかな…


そう考えていたって、それは後から付け加えて思う事。その時はそれ所ではない。

「それは…そんな簡単に出来ることじゃないと思います。」

美智さんは優しく言った。
まるで言葉が僕を優しく包みこむ様だった。


美智さんの言葉は心地良い。

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