ゆびきり
時計を見ると、もう2時間近く経っていた。

時計をみて驚いた顔をした僕につられて、美智さんも時計をみた。

「あら…もうこんな時間なのね」


美智さんは立ち上がり、僕をリビングへと導いた。


暗い階段に差し掛かると、パチンと電気をつけ

「どうぞ。」

と笑顔。


そして

この時初めて

美智さんが綺麗なんだと実感した。


前に会った時だって、今だって、美智さんは近くにいたけど、僕は自分の事で精一杯だったから、『綺麗な人』と感じていても、じっくり見ている余裕はなかった。


藍ちゃんは、可愛い系だったけど…

美智さんは、綺麗系だな…。


そんなことをボンヤリ考えながら階段を降りた。

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