ゆびきり
「遅くなっちゃって、ごめんなさいね。発注ミスが起っちゃって。」

皆の注目の中、美咲さんのお母さんが、入って来た。


「遅くまでおじゃましてしまい、すいません。でも、お二人だけにして帰ることも出来ず…」

トオはすかさず言った。

そんなトオを、美智さんがチラリと見た。



「何言ってるんだ。私達が頼んだんだから、すまなかったね。君なら安心して娘を預けられるよ。」

美咲さんのお父さんは、笑顔でそう言いながら入って来た。


「ありがとうございます。それでは、僕たちはこのあたりでおいとまします。」

トオがペコリとお辞儀したので、僕もお辞儀した。

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