ゆびきり

顔は、電話には必要ないのに、なぜか笑顔を作っていた。


何か嫌な予感が全身をつたう。

まさか…。

テレビには、線路からはみ出て横たわる電車が見えた。

まさか…。

嫌な予感がした。僕はその不安を少しでも打ち消したくて、自ら言った。

「藍ちゃん…乗ってた?」


また沈黙が走る。

否定してくれ
頼むよ
『そんなわけない』って笑って否定してくれ


僕は、必死で祈った。
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