ゆびきり
振り向くと誰とも確認する暇なく
何かが僕に向って飛び込んできた。


でも、声を聞いただけでわかる。

「藍ちゃん」

僕のことを『たっちゃん』と呼ぶのも、藍ちゃんだけ。

「たっちゃんも電車に乗っていたの?」

藍ちゃんは顔を上げてそう言った。

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