ゆびきり

そして僕も
今日ここで新たな一歩を踏み出す。


僕が空を仰ぐ様に上を見ると、ステンドグラスの綺麗な色を帯びた光が降り注いだ。


そして、大きな木の扉が開く音がした。


「どうしたの?リハーサルにはまだ早いわよ。」

「美智と少し話をしたくて。」

僕は彼女の方へと視線を移すと微笑んだ。


そう。彼女は美智。
藍ちゃんの置いた指輪を届けてくれた、美しい女性。


今はもう妹の旦那となったトオとは、相変わらず折り合いが悪いようだけど
僕たちは、トオの結婚式で再会した。


彼女は、僕を長い間支えてくれた。


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