ゆびきり
僕は
ドレスを着た美智の手をひき
花が綺麗に飾られたバージンロードを歩いた。


「ここで…式をあげるのね。素敵ね。」

チャペルを見渡して
嬉しそうに微笑む。

そんな彼女をみて
愛しく思った。

「ゆびきりしないか?」

「今から神様に誓うのに?ゆびきりなんて随分子供みたいな事言うのね。」


美智はクスクス笑いながら小指を出す。


「神様じゃなく、自分自身に誓うんだよ。それに…愛することは、子供みたいに一途じゃないと出来ないよ。」


僕は、美智の指に小指を絡ませた。


「一緒に歌ってくれる?」

美智は、コクンと頷いた。




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