ゆびきり
『あの子可愛いいぞ』

『ああ、マリちゃんって言うらしいぞ』

『中小のミチルちゃんもかわいいんだぞ~どこにいるかな?』

『俺はあっちの子が好み』

『あの子藍ちゃんって子だろ?彼氏居るぞ』


始業式の最中
僕たち男の列からは
ヒソヒソそんな話し声が聞こえた




「藍ちゃん相変わらず目立ってるな~」

タケが後ろから話しかけてきた。


「そうかな?まあ、かわいいけど。」


「ノロケかよ!でも、藍ちゃんの彼氏がたっくんだってわかったら、まずみんな身を引くだろうね」


「なんで?」

僕がそういうと

『新入生代表挨拶』

と先生の声が聞こえた。



「学年首席。頭よし、顔良し、運動神経抜群。かなわないって。」


タケはそういいながら
僕の背中をポンと押した。





藍ちゃんのため
何でも一番を目指してきた


でも正直・・・・
新入生挨拶は面倒だ。




そう思いながら前に歩いていった。



途中藍ちゃんが口ぱくで

「たっちゃんがんばって」

と言ったのが見えた。




だから単純な僕は
意気込んで祭壇に向かった。



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