ゆびきり
「たっちゃん。みんなたっちゃんがカッコいいって言ってたよ」
藍ちゃんは帰り道に
いきなりそう話を降降ってきた。
僕は、明日の準備の話してたんだけど・・・。
言いたくて仕方なかったわけだね・・・。
「男子は藍ちゃんがかわいいって言ってたよ」
「藍はたっちゃん以外にそう言われても嬉しくない!」
「僕も同じだよ」
そういうと、藍ちゃんは少し黙って
やっぱり納得できないのかこう言った。
「じゃぁ…キスして?」
公園に咲いている桜の花が風に舞い
藍ちゃんに降りかかった。
藍ちゃんのスカートも風に煽られてふわふわ動いた。
僕はドキッとした。
「いいの?外でして」
「いいからして!」
藍ちゃんは
抱っこをねだる子供のように
かたくなに求めてきた。
僕は
一応周りをキョロキョロ見渡し
誰も居ないことを確認した。
よし。大丈夫そう。
桜が舞い散る中
僕は藍ちゃんと唇を触れ合わせる
やわらかい感触を全身に感じた。
「ん・・・」
藍ちゃんは少し驚いたように一瞬身体を動かした
僕、ついに舌を入れてみました。
しばらくすると
藍ちゃんもそれに答えてくれた。
藍ちゃん。
この日した
慣れない同士のディープなキスは
気持ちが強くこめられていて
とても深いものになったね。
確かに感じたんだ
一体になったような
とても幸せな時間が流れたことを。