ゆびきり
「たっちゃん、人がたくさんいるよ」

藍ちゃんは急いで唇を離すと僕にそう言った。


「大丈夫。みんな花火を見てる。誰もこっちをみてないよ」



滝川先輩を除いては…ね。




「たっちゃ・・・・」


僕は藍ちゃんに再びキスをした。

藍ちゃんの手を握り

舌を絡めた




藍ちゃんの体から次第に力が抜けていく

藍ちゃんは僕とのキスに落ちていった


キスが深まるにつれて

藍ちゃんの頭に手を回し
抱きしめるように力をこめた。




誰にも藍ちゃんは渡さない。


僕の彼女なんだから。


藍ちゃんの視線の先には僕が居ないと。



キスをしながら
僕はそっと、滝川先輩のいた方を見た。


滝川先輩は立ち尽くし
ぼーぜんとしていた。


僕と藍ちゃんのキスをただ見つめていた。



僕は藍ちゃんと唇を離した。




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