ゆびきり
タケは少し不機嫌な顔をしていた。

でも実際のところ
僕も前から不思議には思っていた。


もしかしたら
妹のキミちゃんを自分がみないといけないって
そういう責任感からあえて作らないのかもな…



「まあ、気にすんな!」

僕はタケの背中をポンと叩いた…



…つもりだったけど、ちょっと力込めすぎた。

「いって~!」

タケは背中が痛いはずなのに
なぜか前かがみになって背中をさすっていた。


「あ…わりぃ。」


「いいよ」

タケは笑っていた。


よかった。
タケが笑ってないと心配になるんだよな。



「たっちゃん!」

どこからか藍ちゃんの声がした。


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