ゆびきり
足音の主は
案の定、タケと藍ちゃんのクラスメートのものだった。
「あいつら、怪我の手当てするだけなのに時間かかりすぎだよな?」
「でも、血が出てたし、怪我ひどいのかも・・・」
「とか言いながら、やらしいことでもしてたらどうする?」
廊下からタケの笑い声が聞こえた。
まあ、してましたけどね。
ガラッ!!
「たっくん、藍ちゃんお帰りの時間ですよ!?」
タケは少しおどけた感じでドアを勢い良くあけた。
そして僕と藍ちゃんをみて
かなり驚いた表情で固まった。
「あ、ごめん。カバン持って来てくれたの?」
「藍ちゃん!そんなに酷い怪我だったの!?」
タケの後ろから藍ちゃんの友達が飛び出してきた。
それもそのはず。
僕たちは焦って足に包帯をグルグル巻いていた
「う、うん。大したことないんだけど、たっちゃんが大騒ぎで。包帯なんて大げさでしょう?」
藍ちゃん…
とっさに言ったわりに、うまいこと言うなと思った。
もしかしたら女の子って嘘つくのうまいのかな?
とりあえず
危機は脱出した。