promise.
『…い、池原』
やっと言葉になったが、
その呼び方は美空にとって
あまり嬉しいものではなかったと思う。
つきあった日に、
名字で呼ぶのはやめようなんて言ったのは俺なのに。
『なに?』
『なんか…さ、喋れよ、もっと。
俺、どんな話でもきくから…』
精一杯に伝えたいことを言ったつもりだった。
せっかく一緒にいるから、
俺は美空ともっと話したいと思って。
『…別に何もないよ?』
美空は少し愛想笑いをして
俺を見た。
『そっか。』