ばーか。
柊side


「あ、あのさっ、蒼井君…なんでここの鍵…」
「こっちのセリフだ」

俺みたいな理由?
…それはねーか。


「あたしは…国語の山元洋一がイトコなんだよね」

国語の山元?
イトコ??

「ふーん…せこ。」
「まぁね…あ、コレ内緒だよ?!誰にも言わないでね?」

そんなこと言われたら
言いたくなるだろ、誰だって。

「どーしよっかな〜」
「え」
「…嘘。お前ほんと単純。」
どこまで純粋なんだよ。
いや…アホなだけか。


「つーか俺の方がやばい理由だしな。」
「やばい…理由?」

絶対言わねーけどな。
女にそんなことホイホイ言うとおもうか?


「ほ…ほんとは、先生…とか…?」

…。
コイツ…

「おま…それ老けてるって言いてぇの?」
「あ、いや、大人っぽいし身長高いから…!ならよかった…」

必死で弁解か。
ばーか。

「んだそれ。…俺の理由は教えない。」
「えー。ずるくない?」
「あ?別に教えるなんて言ってねーじゃん」
「…。」

黙り込む有本。
…いじめすぎた?


「でもまぁ、言わねぇから、安心しろ。」
「ほんとっ?ありがと」
「メリットねーし」
「そうだよね!よかった」
やっぱ単純。



女なんて計算づくしの奴らしかいないと思ってたけど、そうでもねぇのな。


…まぁ、
女であることにはかわりねぇな。
< 14 / 35 >

この作品をシェア

pagetop