ばーか。
「柊…ちゃん?」
「あ、有本さんのクラスの蒼井柊だよ」
やっぱり、
蒼井君のことだ…
下の名前…?
ってことは、
彼女……
「あ、あたし千葉明里ってゆうの」
明里ちゃん。
すごい可愛い。
お似合いだね。蒼井君と…。
…そりゃそうか、
あんなカッコいい蒼井君に彼女いないわけないね。
…って!!
あたし、何をがっかりしてんだ!
別に、好きなわけじゃないでしょーが!
「あ、えっと明里ちゃん?だよね?」
「うん!有本さん、下の名前なんて読むの?花…はなほ?はなちゃん?!」
はなほ、はないでしょ
名前として。
「いゃ、あの」
「はなちゃんてよぶね!」
…ごーいんだ…
「えと…で、蒼井君は」
「あぁ、ごめんごめん。屋上で待ってるよ!」
「あ…わかった、ありがと」
「うん!またね花チャン〜!」
なんで
彼女がいるくせに。
呼んだりするの?
明里ちゃん、可哀想。
あたし、行っていいの?
「おっせーんだけど」