ばーか。
花歩side




ベッドの上、目が覚めた。
「ん…もう8時…?」



今日は部活さぼって、
一人で帰ってきちゃったんだ。
それでずっと考えてたんだけど…
気付いたら寝ちゃってたみたい。



ケータイを開いたら、
不在着信が8件。

「奈津だ…」

心配してくれてたのかな… かけなおそう…



「奈津…?」
「花歩っ!大丈夫?!」
「うん…ごめんね、何も言わないで帰って…」
「…何かあった…?」

奈津の優しい言葉に涙がこぼれた。


「あのね…っ、あたし…っあ、蒼井君へのキモチっ…」
「うん」
「勘違い…っしてたっ、かも…しれない…てゆうか」
「…ん」
「それで…ぁ…え、と」

うまく言えない。
上手に話せない。

「ぁのっ…」
「いいよ、ゆっくりで。あたしちゃんと聞いてるよ」
奈津、ほんとにありがとう
「ぅ…ぁのね、だからっ…よく…わかんないっんだけどね…」
「うん。」
「あたしっ…」


言っちゃったら、
もう後戻りできないよ。 それでも、

言わないと。

ううん。
言いたいの。



「蒼井君がすきみたい…」

「…うん」
「え…っ?おどろ、かないの?」
「…うん。わかってたよ」
そう、なの?
あたしが知らなかったあたしのキモチに、
奈津は気付いてたんだ…

「…あたしより先に、気付いてたんだ…」
「うん。…けっこうもどかしかったよ」
「ごめん」
「でも、あたしが言っちゃったら意味ないって。」

「え…?」
「花歩が気付いて、ちゃんと、言ってくれるのを待たないとって。」
「な…」
「ん?」
「奈津〜っ…大好きぃ…」
「あはは、あたしも。」

奈津ありがとう。

あたし、
ちゃんと進むからね。

ちゃんと
恋するから。
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