ばーか。


来てなかった…。




ま、まぁ


予想は、してたしね?





けど…
なんか…
泣きそうだ…。





「ぁ…花歩!…その表情ってことは…」
「うん、いなかった…。」
「…なんでだろうね」
「…や、やっぱもう、話したくないんだよ。あたしなんかと」
「そんなの…わかんないじゃん」
「…わかるよ!だって、彼女いるんだよ!?」
「…。」
「…ぁ…ごめん。」

八つ当たりだ…。

あたし最悪。



「もう一回だけでも、話したいな…」


ちょっとでもいい。


あたしにむかって放つ
あなたの声が聞きたいの。

なんでもいいから。
ささいな言葉でもいい





ばーか。


でもいい。
いまではそれさえも
遠い、恋しい言葉なんだ。


言ってよ。

もう一回。もう一回だけ。



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