ばーか。
柊side


屋上。


毎日アイツと会った場所。



今日は…アイツは来たんだろうか。


「ハァ…」





「柊ちゃんっ」


え?

女の声。まさか




「…明里かよ」
「なにそれ!明里だよ」
「なはは。」
「…てか、なんかへこんでる??」
「…別にへこんでねー」

へこむ?
俺が?




「…ねぇねぇ柊ちゃん、柊ちゃんは…好きな人いるの??」
「…んでだよ。」

好きな人…。

思い浮かぶのは…



「と…友達がっ、柊ちゃんに好きな人いるか聞いて、って!」


そんなやつ。
いっぱいいる。



けど


本気で俺を好きになるようなやつ、
いない。



外見だけで決めて、

中身なんか気にしないで。

すぐに飽きて、
好き勝手俺の噂たてて。




最低だろ。


「んなの、どうだっていい。知らないヤツのことなんかしるかよ。」

「は……花ちゃんだよ」
「…は?誰だし」





「有本花歩ちゃんだよ?」
有本…が?

「…え」
「知ってるひとじゃん!だから、教えて?」


有本が?




それ、って





…屋上に、いるか?
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