ぷっしゅにんぐ!
「………西野」



瞬間、先生の声がどす黒く感じる。



「俺だってさぁ、キスつもりはなかったんだよ………

けどさぁ、お前



−−男、なめてねぇか?」




……え?



先生の声のトーンが低くなり、怖く感じたうちは、思わず……


一歩、二歩と


後ずさりしてしまっていた。



でも、そんなうちをなめ回すように先生は見てきて……近づいてきて。



「……そんなに知りたいか?」


「そんなに傷つきたいか??

そんなに怖がるのか?


そんなに……俺」



瞬間−−、なぜか先生の顔が今にも泣きそうなくらい、悲しい表情にみえたのは


……気のせい、だろうか……?

< 72 / 107 >

この作品をシェア

pagetop