あたしの旦那は執事さん!?
＊５章＊
＊陽太視点＊
エレベーターで出会った女の子に俺は一目惚れしてしまった。その女の子は、俺の家が代々仕えている、望月家のお嬢様だった。そして俺は幸運なのか、その女の子に仕える事ができた。女の子の名前は望月萌花様は何も聞かされていなかったみたいで、聞いた途端、家出をしていた。だけど、そんな姿も俺にとっては可愛くてたまらなかった。
「陽太君、萌花って読んで。」
そう言われたときは、すごく幸せだった。そして、今では、カップルになっている。だけど、単純でバカな俺は今、萌花が泣いているのを気づけなかったんだ。
萌花がさすがに４時間も降りてこなくて、心配し始めた俺は部屋に向かった。
ヒック・・・。ウゥっ・・・。
「どうして、知らん振りするの！？・・・陽太・・・！！」
萌花は声を押し殺して泣いていた。それも、俺の事で・・・。俺はしずかに近寄って、部屋のドアをノックした。
「私です。いいですか？」
「・・・イヤ・・・。入ってこないで・・・。」
勇気を持って声をかけた言葉に帰ってきた返事は冷たかった。
「わかりました・・・。」
これだけ、返事して俺はリビングに向かっていった。その背中に聞こえた声は
「・・・陽太っ・・・・！！」
切なそうな、何かを訴えるような萌花の俺を呼ぶ声だった。
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