手に入れるためなら
act.5
【メイドside】
「……ってことだ」
晃様の話が終わった。
「……………」
私は何も言えなかった。
何年もこの城崎家に遣えて
いたのに…全然分からなかった。
「…じゃ、俺達は誰にも
見つからない遠くへ行く。
じゃあな、メイドさん」
そう言うと涼香様を抱いて
窓から外へ出て行った。
私は今まで城崎家の表面しか
見ていなかったのだ。
「…メイド失格ですね」
私はメイド服を脱ぎ捨てた。
終わり