手に入れるためなら
「あいつには幸せになって
もらいたいんだ。
私は離婚してしまったが、
晃にはいい結婚をして
もらいたいからな」
「いい考えですね」
「そうか。そう言ってもらえると嬉しいよ」
旦那様は少し照れて頬を掻いた。
「では、私も涼香の部屋に行ってくるよ」
「はい」
本当に晃様も旦那様も
他人思いのお方だとその時は
そう思っていました。
私はこの方達の下で働けることを
誇りに思っていました。