”さあ、出席をとるぞーっ“








先生の声が教室に鳴り響く。











私の席は一番後ろの一番左。




隣には春香。









たくさんの席が
埋まっている中で、

斜め前の席だけ空いていた。













その席の人は
どんな人なんだろう。





女の子かな、男の子かな。






格好良かったらいいな―…








なんて考えてたら、












ガラガラガラーッ……








“遅れてすいません”











そう言って一人の男の子が
教室に入ってきた。










スラッと背が高く、
世間で言うストリート系の服を
しっかり着こなしている。



そして片手にはスケボー。
耳にはイヤホン。








いかにも女の子が
騒ぎそうな格好をしていた。







だけど顔も服装も
私のタイプではない。





私はお兄系で綺麗な顔の
男の子が好きなのだ。











だけど私の瞳は
無意識の内に彼に
釘付けになっていた。
















あ、もしかして
斜め前の席の人って―…










そう考える間もなく
彼はその席に座っていた。















私の鼓動は勝手に
早くなって行った。












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