Song for you
「は?」
「……帰るな?」
「ちょっと!!」
彼女の言葉も聞かずに俺は家に帰った。
こうなったら!
意地でもやってやる!
俺には大学生の兄貴がいる。
その兄貴はギターを集めるのも弾くのも趣味で。
だから弾き語りを教えてもらおうと思ったんだけど…
家に帰ってすぐに兄貴の部屋に行く。
「兄貴!ギターを少々…借り、に…」
勢いよく部屋の扉を開ける。
「っあ…ん…、っ!!」
「……!!」
「失礼しました…」
さっきの勢いとは裏腹に気力なく扉をしめる。