マジカル☆ジュエルス
「…いいよ」
「本当ですか!?」
「私が特別にレクチャーしてあげるよ。
こういう子見ると
何だかほっとけないからね」
最初はただ人の下手な姿をからかう
だけの人だと思っていたのに
こんなに優しい人だなんて…。
ひかりは勝手に人を悪いイメージで
思っていた自分が情けないなと思った。
むしろ相手に申し訳ない。
やっぱり世の中酷いことをする
人間だけじゃなかった。
きっとキューブリックのような
悪を持っている人はごく一部であろう。
いや、今はそんなことより
バスケのことに集中するべきだ。
「お願いします先生!」
「先生って…」
少女は面白おかしそうに笑ってくれた。
そうして特別練習が始まった。
そして数時間後。
気づけば辺りは暗くなっていた。
こんなにスポーツに没頭するなんて
初めてかもしれない。
「凄いね。
どんどんうまくなっているわね」
「本当ですか!?
教えが良かっただけですよ」
自分ではあまり分からなかったが
上手くなっていると言ってくれて嬉しい。
すぐに運動音痴とはおさらばになった。
ひかりは何よりそれが嬉しいのである。
これなら明日の決勝頑張れそうだ。
ひかりはやる気がだんだんみなぎってきた。
「決勝楽しみにしているわ」
「はい!頑張ります!」