《完》天使の微熱 〜アクマなアイドル〜
「そう思いたいなら、
勝手に思ってればいい。

けど―――」



そこまで言うと玲斗は一度
言葉を切った。



そして一拍の間のあと、
落ち着いてるけど有無を
言わせない迫力を秘めた声で、



「――陽菜には手を出すな。

それは、オレのものだから」



“オレノモノダカラ

テヲダスナ――…”



静かに響き渡ったその
言葉の意味を把握するの
には、あたしには時間が
必要だった。



でも、玲斗はその時間は
くれない。



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