《完》天使の微熱 〜アクマなアイドル〜
玲斗はユウキがまたチッと
舌打ちして苦々しい顔を
してるだけなのを見て取る
と、今度はあたしに向かって、



「行くよ、陽菜」



少し強い口調でそう
言うと、廊下から手を
伸ばしてグイッとあたしの
腕を引く。



「あっ………!」



段差に足をとられてよろ
めいたけど、玲斗は強引に
あたしの体を引っ張って
中に入れた。



「さて、もうすぐ撮影の
時間ですよ、ユウキさん。

しっかり見学させてもらう
んで、どーぞよろしく」



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