《完》天使の微熱 〜アクマなアイドル〜
そう言わんばかりの、
尊大で自信にあふれた声。



「ハ、ハイ。すいません――…」



かすれた声で言って
あたしはその場に片膝をついた。


素足の膝下が直接床に
触れて、ヒヤッと冷たく感じる。



玲斗はすかさず左手を
さらに突き出してきた。



「今度は上手にやりなよ?

失敗したら――オレの商品
価値、わかってるよね?」



「わ、わかってます」



ゴクッと息をのんで頷いた
時、黙って控えてた
スタッフさんがあたしに
近づいてそっと何かを差し出す。



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