《完》天使の微熱 〜アクマなアイドル〜
「オッケー。

なんか食べていこっかぁ」



そんなことを言いながら
パタンと雑誌を閉じた時。



まるで狙いすましたかの
ように、ブーンと低い音が
鳴り響いた。



――イヤな予感。



この、偶然のはずなのに
妙に悪意を感じる
タイミングの悪さは……。



「ん? 陽菜の携帯じゃない?」



「ウン、わかってる。

ゴメン優花、一緒に帰るの
ダメになったかも」



唸るような低い声で言って
あたしは机の横に提げた
カバンから携帯を出した。



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