【短編】2度目の初恋
噂の張本人



私が今日、決着をつけようと意気込んでいた相手



一瞬だったが驚きと悲しみが入り混じった、表現しがたい表情になる。


それを見て、瞬時に理解する。




聞 か れ た




悪いことをしたわけではない。
彼の日頃の行いを考えれば、当然たどり着く答えだと思う。




なのに、なぜ



彼の顔が見れない…?




本人が登場したせいか、周りの野次馬たちは自分たちの席に戻っていった。
美咲も当然、自分の席に戻る。
一度だけ、名残惜しそうにこちらを見てから。



隣人は何も言わず、無言で席に着く。

そして私は昨晩一生懸命考えた撃退計画がすっかり頭から抜け、席に着いたまま何も考えられない状態になっていた。




“ す き ”




それがなんなのか


どんな気持ちなのか




そして、今




彼に向けるこの気持ちは


この想いは


一体、なんなのか…


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