【短編】2度目の初恋
「おつかれさまでした」
今日は早番だったので夕方で上がり。
少し赤みのかかった空を見ながら、大きく伸びをする。
裏口を出、家に帰るべく路地の角を曲がった。
「っ…!」
踏み出した足を止める。
なぜ、毎度毎度タイミングよく出会うのか。
さっきまで彼女と一緒だったのではないのか。
今、一番会いたくない人物が目の前にいる。
そのまますり抜けようにも、きっと通してくれない。
そんな空気をまとっていた。
「………」
今日は何も言わない。
変わりに一歩、また一歩、距離を縮めてきた。
合わせて後ずさりするが、逆に壁に誘導されて身動きが取れなくなる。
「なんで…」
顔は見れない。
疑問ばかりが頭の中でいっぱいになる。
本当に逃げようと思えば逃げれるのに、なんで逃げないの…?
グイッ
腕をひっぱられ、前に倒れそうになる身体を抱きとめられた。
「やっ…!」
身をよじるが、息をつく間もないほどに力強く体を拘束する腕。
なぜこんなことをするのか。
悔しさと腹立たしさで目頭が熱くなる。
貴方には彼女がいるのでしょう。
これ以上惑わせないで。
私の心をかき乱さないで…
今日は早番だったので夕方で上がり。
少し赤みのかかった空を見ながら、大きく伸びをする。
裏口を出、家に帰るべく路地の角を曲がった。
「っ…!」
踏み出した足を止める。
なぜ、毎度毎度タイミングよく出会うのか。
さっきまで彼女と一緒だったのではないのか。
今、一番会いたくない人物が目の前にいる。
そのまますり抜けようにも、きっと通してくれない。
そんな空気をまとっていた。
「………」
今日は何も言わない。
変わりに一歩、また一歩、距離を縮めてきた。
合わせて後ずさりするが、逆に壁に誘導されて身動きが取れなくなる。
「なんで…」
顔は見れない。
疑問ばかりが頭の中でいっぱいになる。
本当に逃げようと思えば逃げれるのに、なんで逃げないの…?
グイッ
腕をひっぱられ、前に倒れそうになる身体を抱きとめられた。
「やっ…!」
身をよじるが、息をつく間もないほどに力強く体を拘束する腕。
なぜこんなことをするのか。
悔しさと腹立たしさで目頭が熱くなる。
貴方には彼女がいるのでしょう。
これ以上惑わせないで。
私の心をかき乱さないで…