【短編】2度目の初恋
「久しぶりね。成人式以来?」
「そ…だね…」


はい、っと差し出されたカフェオレを受け取る。


「この前亮也と来た時、見かけたからそうかなーって思って」
「………」


なんでこの人と二人でカフェオレを飲んでいるのだろうか。
気をきかせてくれたマネージャーが恨めしい。

私は彼女と話すことは、ない。


「…どうして、来たの?」


渡されたカップを強く握り絞めると、その拍子で中身が少し溢れた。



今さら報告でもしに来たのだろうか。

そんな気遣いは、してほしくない。



「そんな怖い顔、しないでよ」


ふふっ、と上品に笑う。

やはり可愛いと、こんな時でも魅入られてしまった。
完全に憎めたらどんなに楽か。
でも、憎めない。
彼女にはそんな雰囲気がある。
これが役得というものか。


「昔…小3だったっけ?あの時のこと、覚えてる?」


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