【短編】2度目の初恋
クラスの中心にいて、それでいてわけ隔てなく話しかけてくれる亮也。

教室に馴染めないでいる自分にも普通に挨拶をしてくれる。
いつも明るく教室をまとめる彼を見ている内に、次第に惹かれていくようになった。
だがまだ年齢も幼く、それが恋だとは思わなかった。



小学三年生。
クラス替えでまた彼と同じクラスになった時はとても嬉しかった。


“またあの楽しそうな声が聞ける”


そう思っていた。
だが聞こえてきたのは、愛菜との騒動ばかり。
そんなに嫌いなのか、そう思っていた。



愛菜は自分にはとても優しくしてくれる。
天性なのか、気の使い方や声のかけ方がとても上手い。
欲しいときに欲しいだけ、手を差し伸べてくれた。
そんな愛菜を自分はとても大切に思っていた。



大切な、二人の友人。



その二人が毎日飽きもせずにいがみ合っている。

あまりいい気分ではなかった。


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