~恋をすれば~
第1章
私、西尾 美嘉。
16歳の、高校1年生。
取り柄は、合唱が好きな所と、人はずれの頭脳を持っている所。
私は中学生の頃、地味で目立たない存在だった。
というか、存在自体…無かった。
高校生になって変わろうと思ったけど、同じ中学校から来た子と目が合うと…怖くて逃げ出したくなった。
そんな状態で、変わることは不可能に近かった。
だから私は、変わることをやめた。
そしてまた、目立たない存在の続く日々を送っていた。
唯一の友達である、華山 桜子。
桜子は、自分からは目立たないようにしているらしい。
しかし実際は…。
オーラが出てて、可愛い子。
優しいし、気配りが出来てて。
成績優秀で、スポーツ万能。
こんな子を、他の子は放っておくはずがない。
毎日呼び出されては、告白され、断るの繰り返しらしい。
桜子とは幼稚園からの付き合い。
友達って言うか、幼馴染みみたいな。
みたいっていうか、実際にそうなんだけどね。
だって家も、私の家の前だし。