~恋をすれば~
引っ越してきた時からなぜか桜子は、私になついていた。
家で遊ぶときも、
「みかぁ。あーそーぼー」
っていって、勝手に家に入り込んでくる。
そして、気がつくと隣に座っている。
「まだいいって言ってない…」
私がそう言っても、聞く耳を持たない。
「ねぇ、みかぁ。あそぼ??」
首をかしげて、可愛くお願い。
これが桜子の得意技だった。
これをされると、断りたくても出来なくなるんだ。
私もこれで、何度もやられてしまった。
そして今、まさにその状況に立っているわたしだった。
「ねぇ、美嘉??今日これから何もないでしょ??お願い、買い物付き合ってよぉ」
またしても桜子の得意技が炸裂していた。
あの頃に増して、もっと美人で可愛くなった桜子。
それに比べて私は…。
地味度がさらに増し、モテるどころか避けられてるし。
好きな人が出来ても、自分を変えるのが怖くて、結局何も出来ない。