NIGHT MOON
その人物とは夜月と同じ店で
ホストをしている晴海だった。



「あかね…いや、朱里さんだったね。偶然会うなんて驚いたよ」



「夜月くんと来ていて…」



「夜月と!?僕はお店のお客様と一緒で、丁度これから帰るとこなんだ。今はそこ(化粧室)に行った彼女を待っているとこで」



「そうなんですか。それじゃ、あたしは席に戻ります」



朱里が去って行くと後ろから
晴海がやって来て肩を掴まれた。



「待ってくれ」



「え…」



「話を聞いてくれ」



「………」



「この間はいきなりあんな事してすまなかった」



何の事かというと夜月と出会って朱里が初めて店に行った時
いきなら晴海が朱里の事を
人違いで抱き締めた事だ。



「いえ、気にしてませんから」



「でも…君と僕の姉は本当に似ている。まるで死んだのが嘘の様に思える」



「あの?」
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