NIGHT MOON
「夜月さん…いや、本当の名前は高西康平さんですよね」
少し間があいて夜月は答える。
「ああ…そうだ。別に本名を隠してたわけじゃない」
「そうですね」
「あんた一体何者だ?」
「オーナーに頼まれて、あなたの経歴など色々調べさせてもらいました」
「…そうか…あの男、裏で手をまわしてたんだな。で、その俺に何を言いたい?くだらない事なら聞かないぜ」
「あなたに遠回しに言っても意味がないのではっきり言わせていただきます。あなたは神田川太郎、本名…村西礼次(ムラニシレイジ)の実の息子です」
「…はぁ?」
「ですからあなたはオーナーの御子息で」
突然過ぎる事に
夜月は呆れて笑って言う。
「オーナーの息子?意味が全然分かんねーよ。冗談言うくらいならもうちょいまともな事言えって…たくっ笑っちまうぜ」
「理解出来なくて当然です。二十七年も会っていないのですから」
「ちょっと待て、俺の親父は高西雅宣(マサノブ)のはずだ」
「高西さんは育ての親です」
「は?」
「生まれてから数ヶ月後、あなたは子宝に恵まれないと悩んでいた知人の高西家の養子になったのです。引き取られて数年間は高西夫妻に育てられたのですがその夫妻は事故で亡くなってしまい、あなたは高西の妻の母方の祖母に引き取られた。しかしその祖母も病気で他界。そして全く身寄りの無くなったあなたは施設に預けられたのです」
「確かに俺は高卒まで施設にいたさ。よくもまぁそこまで調べあげたな。でもそれがどうしたって?何の意味があるんだ」
「ですから…」
「これ以上あの男に付き合ってる暇はないんだよ。俺はホストも辞めるし何の関係もない。それともあの男の財産でもくれるのか?相当有りそうだしな」
「夜月さん!」
「まだ何か言いてーのか?とにかくあの男が本当の父親なら納得出来る証拠を見せろ。俺は信じたわけじゃない。あの男が起きたらそう言っとけ」
夜月が去って行こうとしたのを
黒田は引き止める。
少し間があいて夜月は答える。
「ああ…そうだ。別に本名を隠してたわけじゃない」
「そうですね」
「あんた一体何者だ?」
「オーナーに頼まれて、あなたの経歴など色々調べさせてもらいました」
「…そうか…あの男、裏で手をまわしてたんだな。で、その俺に何を言いたい?くだらない事なら聞かないぜ」
「あなたに遠回しに言っても意味がないのではっきり言わせていただきます。あなたは神田川太郎、本名…村西礼次(ムラニシレイジ)の実の息子です」
「…はぁ?」
「ですからあなたはオーナーの御子息で」
突然過ぎる事に
夜月は呆れて笑って言う。
「オーナーの息子?意味が全然分かんねーよ。冗談言うくらいならもうちょいまともな事言えって…たくっ笑っちまうぜ」
「理解出来なくて当然です。二十七年も会っていないのですから」
「ちょっと待て、俺の親父は高西雅宣(マサノブ)のはずだ」
「高西さんは育ての親です」
「は?」
「生まれてから数ヶ月後、あなたは子宝に恵まれないと悩んでいた知人の高西家の養子になったのです。引き取られて数年間は高西夫妻に育てられたのですがその夫妻は事故で亡くなってしまい、あなたは高西の妻の母方の祖母に引き取られた。しかしその祖母も病気で他界。そして全く身寄りの無くなったあなたは施設に預けられたのです」
「確かに俺は高卒まで施設にいたさ。よくもまぁそこまで調べあげたな。でもそれがどうしたって?何の意味があるんだ」
「ですから…」
「これ以上あの男に付き合ってる暇はないんだよ。俺はホストも辞めるし何の関係もない。それともあの男の財産でもくれるのか?相当有りそうだしな」
「夜月さん!」
「まだ何か言いてーのか?とにかくあの男が本当の父親なら納得出来る証拠を見せろ。俺は信じたわけじゃない。あの男が起きたらそう言っとけ」
夜月が去って行こうとしたのを
黒田は引き止める。