声のないamor
―次の日から上崎空は図書室によく来るようになった。


気になることがあったから、聞いてみることにした

『ねぇ、何でいつもここにいるの?』

そうすると形のいい薄い唇をかすかに動かして
「ここ。 好きだから…お前もだろ?」



『えぇ。』
口だけ動かして答える。

時々、しゃべってみてわかったのだけれど…
この人はとても無口。

だけど冷たくなくって、とても暖かい人
口数は少ないけれどすべてをわかっているような…そんな感じ。







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