刀と愛と。


わたしの目から涙がぽろりとこぼれた。


「……なにをやるにしてもわたしは失敗ばかり。父親に似て…テキトー人間だし、すぐ調子にのるし………
ニ…ニキビだってあるし…なにもいいとこなし。母親にまで『ブツブツ人間』なんて……いわれて………そこまでニキビひどくないのに…

顔だってかわいくないし…母親に…『ぶさいく』っていわれるし…………

勉強もそんなにできないし………

友達にはハブにされたりするし…


わたしだって…わたしだって…別に生まれたくてこの世に生まれたわけじゃないのに……………!」



正之助はじっと聞いていた。



「……それでよい」



< 32 / 115 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop