束縛女 *短編*
「晃さん、それホントですか!?」

「晃さんまじっすか!?」

「これ佑衣ちゃんなの!?」



また次々に何かを言い出すみんな。
苦笑いの春花とあたし。

晃くんはただ笑うだけで、
あぁ、と言った。



「……佑衣ちゃん……」

「いつも可愛いなって思ってたけど、
可愛さが増したね……」

「好きになったかも」

「ていうか俺好きだわ」



そんな一部の男の人達の
ヒソヒソ声をあたしはきっちり聞いていた。

晃くんは聞こえてたのか、
少し嫌そうな顔をしてた。



「佑衣……ちょっと来い」

「へ? わ、晃くんっ――」



不機嫌な顔をした晃くんに
腕を引っ張られた。
そのままどこかへ連れて行かれる。
あたしの腕を掴んだ晃くんの手の力は
すごく強くて、腕に跡がつきそうなくらい痛かった。


倉庫を出て裏のところに出た瞬間、
晃くんが抱きしめてきた。




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