宇宙の果て
「星‥好きですか??」
尋ねながら
私の隣に空いていた席に腰を降ろした
初対面の彼に
何、この人。などと
嫌悪など思わずに座る姿を見つめて
頭を2度、縦に振った
先程と同じ笑みを浮かべて
「僕もです」と言った
一瞬、目が合った気がした
瞬時に私は
目を背けて 急いで
外していたメガネをかけた
男性のほうをチラっと見ると
細長い身体で
スーツを身に纏い
彼もまた、メガネをかけていた
胸元には名札があり、沢野俊英 と
自分の名前を主張している
あぁ!と、沢野さんは
何かを思い付いたように
内ポケットに手を突っ込んで
有名なブランドの名刺ケースを取り出すと
私に1枚差し出した