宇宙の果て


「沢井さん‥。気のせいですよね」


彼は小声で言った。
私の耳に届くか届かないかの
本当に小さい声で。

けど私には聞こえた


「‥‥え?」

思わず発してしまった言葉。
何も考えずに出た言葉。


「いえ、なにもないですよ」



なんだ、つまらない


なにか期待してたような思いが
浮かんだけど
私は気にしなかった

それから、
好きな星は何か とか
天体を好きになったキッカケを
話した





「話しこんでしまった‥
 僕は仕事中なんで、そろそろ。
 もう、帰られますか?」

「はい。帰ります。
 今日はありがとうございました」


頭を下げて席を立つと
同時に沢野さんも立って
出口まで送りますよ と言ってくれたから
私は甘えて送ってもらった
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