宇宙の果て


「ただいま」


家に帰るなり
流れるジャズミュージック

その音源はレコードから。


「おかえり、あゆみ」


お母さんが奥のドアから顔を出す

微笑んだお母さんは
かわいくて

年相応にはまったく見えない



自室に行き、
部屋着に着替えて
着用してた服を脱衣所に置き
家族のいるリビングへ向かった



「あゆ姉、またプラネタリウム?」


「うん」


女子高生らしい明るい紙色に
私物じゃないはずの青い目

携帯をいじりながら
私をあゆ姉と呼ぶ妹のまなみ


「いい出会い、あるのー?」


馬鹿にしてるのか、
この馬鹿まなみ


「馬鹿。綺麗な星になら
 たくさん出会えるけど?」


東京の夜は星が見えない

けど 天体公園にあるプラネタリウムは
すごく綺麗で


夜空を見上げているみたい
< 6 / 9 >

この作品をシェア

pagetop