宇宙の果て
「ただいま」
家に帰るなり
流れるジャズミュージック
その音源はレコードから。
「おかえり、あゆみ」
お母さんが奥のドアから顔を出す
微笑んだお母さんは
かわいくて
年相応にはまったく見えない
自室に行き、
部屋着に着替えて
着用してた服を脱衣所に置き
家族のいるリビングへ向かった
「あゆ姉、またプラネタリウム?」
「うん」
女子高生らしい明るい紙色に
私物じゃないはずの青い目
携帯をいじりながら
私をあゆ姉と呼ぶ妹のまなみ
「いい出会い、あるのー?」
馬鹿にしてるのか、
この馬鹿まなみ
「馬鹿。綺麗な星になら
たくさん出会えるけど?」
東京の夜は星が見えない
けど 天体公園にあるプラネタリウムは
すごく綺麗で
夜空を見上げているみたい