ヒロイン 完
「てか、どいて下さい。ほのか言ってやって」



ほのかが口を開きかけた時、颯太登場。



「ムラ、何やってんの?」



ムラ?


ムラサキだからムラでしょそれ。



「おー、颯太じゃん」



やっぱ不良なのね。



「颯太君、久しぶり何ページぶり?」



颯太君は顔を引き吊らせた。



「てか、ムラそこどけよ。神山が座れねーじゃん」



颯太君よく言った!


君は素晴らしい!



「あ、わりっ」



とか言って、あっさり席から立ち上がった。


うん。


ムラサキ君は天然なのね。


やっと席に座るとほのかはもう、お弁当を食べ終えていた。



「ほのかちゃん」


「何ー?」


「誰あれ」



私は颯太と恭二と喋っているムラサキを指した。



「紫は私の彼氏だよ」


「あーそっか、彼氏か」



彼氏。


かれし。


KA・RE・SHI。



「彼氏!?」



柄にもなく大きな声を出してしまった
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