ヒロイン 完
「ご、ごめん!」



慌てて謝る泉さんは驚愕して目を見開いていた。



「……ッ。す、すいません」



慌てて姿を消した泉さん。戻ってきた時は上半身裸ではなかった。


そして再び私の隣に腰を下ろす。



「泣かないで」


「ごめんなさい」



膝を抱き肩をすくめて縮こまる。



「あの、あんまり男の人っていうか、なんていうか。その、免疫がなくて……」



あぁ、恥ずかしい。ちょー、恥ずかしい。


裸見ただけで泣いちゃうなんて。


どーしよ。


面倒な奴って思われたら。


どーしよ。


また涙が滲んできて膝におでこを付けた。



「奈緒ちゃん」



うー、泉さんは優しすぎる。


頭に乗せられた手から温かさが伝わる。



「ごめんね。ちょっと調子乗った」



フルフルと首を横に振る。



「ピザ冷めちゃうから食べよ?」


「はい」



私達はピザを食べて冷蔵庫の中に冷やしてあったケーキを一切れずつ食べた。


テーブルの上にはビールの空き缶が四本。


泉さんは酔わない。


ちょー、酒に強い。


食後は洗い物を二人でしてソファーに並んでまったり過ごした。
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