ヒロイン 完
真実
クリスマスに泉さんに会ってからその後、誰にも会うことなく迎えた新学期。
私は少しの不安と息苦しさと、そしていつもと同様の腹痛を抱えながら学校に向かっていた。
地元の駅で何人かの友人と新年のあいさつをし私は電車に乗り込む。
昨年となんら変わりのない光景が目の前に広がった。
今年も何事もなくつまらない人生を歩むのだろうか。
それとも……。
そんなことを考えながら、いつの間にか到着した教室。
扉を開けるのがこんなに気が重たいのは、いつ振りだろう。
ペンダントを握り締めて意気込み扉を開けた。
自分の席に向かう途中、何事もなく当たり障りのない挨拶を繰り返した。
ようやく席に着きホッとしていると影が落ちてくる。
顔を挙げるとそこにいたのは……。
「まめ」
「ちげーよ!豆じゃねーよ」
うわー、子犬がキャンキャン吠えてますよ。
「あけましておめでとう」
「……」
律儀。
総長が律儀だと下っ端くんも律儀になるのだろーか。
「おい!」
「あ、おめでとー」
「……」
ちょっと呆れた顔をしてから子犬もとい颯太は真剣な顔を作った。
それにつられるように私の顔もふざけた感じが消えていく。
「イヴの時……」
期待ではなく嫌な緊張で心臓が高鳴った。
私は少しの不安と息苦しさと、そしていつもと同様の腹痛を抱えながら学校に向かっていた。
地元の駅で何人かの友人と新年のあいさつをし私は電車に乗り込む。
昨年となんら変わりのない光景が目の前に広がった。
今年も何事もなくつまらない人生を歩むのだろうか。
それとも……。
そんなことを考えながら、いつの間にか到着した教室。
扉を開けるのがこんなに気が重たいのは、いつ振りだろう。
ペンダントを握り締めて意気込み扉を開けた。
自分の席に向かう途中、何事もなく当たり障りのない挨拶を繰り返した。
ようやく席に着きホッとしていると影が落ちてくる。
顔を挙げるとそこにいたのは……。
「まめ」
「ちげーよ!豆じゃねーよ」
うわー、子犬がキャンキャン吠えてますよ。
「あけましておめでとう」
「……」
律儀。
総長が律儀だと下っ端くんも律儀になるのだろーか。
「おい!」
「あ、おめでとー」
「……」
ちょっと呆れた顔をしてから子犬もとい颯太は真剣な顔を作った。
それにつられるように私の顔もふざけた感じが消えていく。
「イヴの時……」
期待ではなく嫌な緊張で心臓が高鳴った。